末期ガンの父が笑顔で他界…鳥取生協病院の緩和ケアがスゴイ

倉見栄美

 

今年の5月、実父が胆管ガンで他界しました。

88歳の大往生です。

 

父の死を「大往生だった」と、私が周りのお世話になった皆さまに言えるのは・・・

末期ガンの父に寄りそってくれた、緩和ケア病棟のスタッフさんたちのおかげです。

 

過去20年間にわたり、私は医療保険やガン保険のお話をしてきました。

その中で病気の治療法や手術の施術費など、様々な情報をお客さまに提供してきましたが・・・

今日は末期ガン患者を受け入れる「緩和ケア」について、自身の経験を交えてお伝えします。

 

緩和ケアとは

 

緩和ケアとはガンと診断された方に行う、肉体的・精神的な苦痛を和らげるための治療です!!

 

 

ガンは日本人の死因で最も多い病気です。

現在、3人に1人がガンで亡くなっています。

 

ガンと宣告されるとひどく落ち込み、不安で眠れなくなったりするでしょう。

また治療の間に痛みが強くなったり、食欲がなくなることもあるかもしれません。

 

緩和ケアはこうしたつらい症状を緩和し、日々の生活をおだやかに送れるようにします。

参考:緩和ケアとは|緩和ケア.net

参考:緩和ケアについて理解する|がんになったら手にとるガイド

 

私たち家族は今回、鳥取生協病院さんの緩和ケア病棟でお世話になりました。

許可を得たうえで、生協病院さんがどのような緩和ケアをされているかご紹介します。

 

自宅のような病室

 

緩和病棟の病室は家っぽい雰囲気で作られていました。

木製の家具や暖色のライトなど、病室にいながらも温かさを感じられます。

 

 

お花は定期的に変えられ、いつも新鮮なものを飾ってくれました。

 

 

病室にはソファベッドが置いてあり、家族がいつでも泊まれるようになっていましたね。

面会時間に制限はなく、かわいがっていたペットを連れてくることだって可能です!!

 

 

複数人でお見舞いに来て寝るところがない場合は、家族控室も使わせてもらえます。

 

 

緩和ケア病棟は病院の最上階です。

病室の窓からは、鳥取市の街並みや久松山の雄大な姿をながめることができました。

 

 

病室にはテレビ・冷蔵庫・洗面台・トイレなど、必要な物はすべてそろっています。

個室なのに差額ベッド代(個室料)はかからず、安心して入院させることができましたよ。

 

 

なんと、お風呂は温泉です!!

介助が必要な場合は看護婦さんが入浴を手伝ってくれます。

 

 

温かい雰囲気の病棟

 

病室だけでなく、病棟全体も家のような雰囲気で作られていました。

自宅でゆっくり過ごすような空間づくりのため、検温時間などはもうけられていません。

 

 

エレベーター前のエントランスには、季節に合わせた生け花がいつも置いてありました。

 

 

また病棟のいたるところに絵が飾ってあり、芸術を楽しめるようになっています。

 

 

この広い談話室では、ひな祭りなど季節の行事や音楽の演奏会などが行われていましたよ。

患者さん自身がゆっくりとピアノを弾くような光景も見られてホッコリ。

 

 

ここではお茶やコーヒーを無料で頂くことができます。

 

 

談話室の横にはキッチンがあり、患者さんやその家族が自由に使うことが可能です。

またボランティアの方が私たちのために、ここでお菓子を作ってくれたりもしましたね。

 

 

この談話室から外のベランダに出ると、なんと足湯が設置してあります!!

鳥取の景色をながめながら入る足湯は、とても気持ちが良いだろうな~

 

 

またここにはたくさんの鉢植えが用意されています。

ここでお花や野菜を育てているそうです。

 

 

緩和ケア病棟に入った経緯

 

最初、父は一般病棟で治療を受けていました。

しかしガンの進行が進むにつれて、苦しみや痛みを訴えてくるようになったのです。

 

 

母には告げず、私にだけ「安楽死させてくれ」「殺してくれ」とかすれた声で言ってくることも・・・

看病疲れを起こしている年老いた母に、そんなことを相談するなんてもちろんできません。

私はただただ、帰り道の車の中で泣いていました。

 

主治医の先生はそんな父の症状と私の気持ちを察し、緩和ケアをすすめてくれたのです。

 

スタッフさんの気づかい

 

緩和ケア病棟に移ったことで、父は体の痛みがやわらいだようです。

また開放的な空間や手厚い支援システムに、家族みんなも安心しました。

 

しかし何より父の笑顔を取り戻し、私たちの心を癒してくれたのは・・・

緩和ケア病棟のスタッフさんたちの温かい気づかいです!!

 

これから消えていく命、残された時間をいかに人間らしく過ごせるか・・・

スタッフさん1人1人の声かけや、何気ない気づかいにたくさん私も父も助けられました。

いま思い出しても、本当に感謝しかありません!!

 

私は父の最後に立ち会うことができませんでした。

でも私と同い年の看護婦さんにしっかりと手を握られ、眠るように亡くなったと聞いています。

 

 

亡くなった後も皆さんが思い出話で泣き笑いしながら、お風呂に入れて洋服を着せてくれました。

父はきっと心の中で「ありがとう」と笑顔で言って亡くなったことでしょう。

 

最後に

 

こんな手厚い病棟に長く入院したにもかからわず・・・

父は後期高齢者(1割負担)ということで、入院費は月10万円ぐらいで済みました。

 

しかしこれが医療費3割負担の私たちであったらどうでしょう??

かかるのは入院費用だけでなく、入院者の生活用品や看病する側の食事などもあります。

参考:「生命保険や医療保険は不要」という人が最終的に損する理由

 

ありがたいことではありますが・・・

「そう長くはない」と言われた父も3か月近く病棟でお世話になりました。

その間にかかったもろもろのお金は決して安くなかったです。

 

緩和ケアは積極的にガンを治すというものではありません。

けれども私は、これも立派なガン治療の1つだと思います。

 

どんな治療でも受けられるよう保険を備えることは、自分のためにも家族のためにも必要です!!